連載:日本の金融教育の歴史を紐解く(第1回)

前回の記事で、22年度から始まる高等学校学習指導要領において資産形成・資金計画等を扱うことが明記され、高等学校向けの金融教育がスタートすることをお伝えしました。

実は、日本の金融教育はおよそ150年前の明治時代から導入されており、より深く今後の金融教育に触れられるよう、今回から数回にわたって日本の金融教育の歴史を紐解きます。

目次

金融教育のはじまり

多くの日本人にとって「おかね」の扱い、つまり金融・財務を学習したいと思った際にまず想起するのは、「簿記」を学ぶことではないでしょうか?

今では、多くの人々が学ぶ「簿記」ですが、現在の簿記の基礎である複式簿記の考え方が日本に持ち込まれたのは、今からおよそ150年前の1873年になります。

皆さんも知るある歴史上の人物が日本に複式簿記の考え方を紹介し、日本の金融教育の口火を切りました。

金融教育の第一人者

そのある人物とは、慶應義塾大学の創立者でもある福沢諭吉です。

1873年に福沢諭吉が『帳合之法』を発刊し、そこで初めて日本に西洋複式簿記が紹介されました。

『帳合之法』の初編(出典:慶應義塾大学出版会Website)

導入の背景

福沢諭吉が『帳合之法』を発刊した当時、日本はまさに明治維新・文明開化の時代の真っただ中でした。廃藩置県等の政治的側面は勿論、経済的にも「欧米に追いつけ、追い越せ」をスローガンに西洋から多くの制度・技術が導入されました。

そのような中で、近代資本主義の基礎ともいえる「複式簿記」が日本に紹介されたのは、歴史の必然であるといえ、「複式簿記」の導入は日本の近代化の礎の1つとなりました。

次回は、福沢諭吉がまいた種がどのように芽吹いていったのかをみていきます。

おわりに

弊社では、「おかね」のプロである公認会計士が広範な実務経験は勿論、豊富な講師経験を基にマネーリテラシー養成に向けた金融教育サービスを提供しています。身近なトピックを用いた上で、ワークショップ等の様々なスタイルで提供させて頂くため、楽しく、わかりやすく学ぶことができます。

また、教職員様向けの研修・講座も提供しているため、支援が必要でしたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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