サラリーマン必見!特定支出控除制度!

特定支出控除制度とは、「語学学習費」・「資格取得費」・「書籍代」等が多く発生している場合、一定の控除を受けられる制度です。

制度自体は古くから存在していましたが、平成25・28年度の改正に伴い、より多くの人が利用しやすい制度となっています。

コロナ禍に伴うオンライン学習の普及等から自己研鑽・スキルアップの機会が増えている中で、制度を上手く活用することで、金銭的な後押しが受けられる可能性があります。

そこで、今回、「特定支出控除制度」について、ポイントを簡潔にわかりやすく解説いたします。

目次

どのような制度?

「特定支出」とは、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち一定のもので、この「特定支出の金額」が「給与所得控除額の1/2」を超える場合に超えた金額につき、控除を受けることができます。

【表1:特定支出費用一覧】

通勤費一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
職務上の旅費勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出
転居費転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
研修費職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
資格取得費職務に直接必要な資格を取得するための支出
帰宅旅費単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
勤務必要経費次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、
その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
(1)書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2)制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3)交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

(国税庁HPより作成)

サラリーマンであれば、「通勤費」・「旅費」等は会社が負担していることが一般的であるため、実際に申請対象となることが多いのは「語学学習費」・「資格取得費」・「図書費」等で、それらが多額に発生している方はメリットを享受できる可能性があります。

具体例

次に具体例を用いて、実際の算定プロセスをみていきます。

収入が700万円で「特定支出の金額」が100万円であった場合、以下の通り計算されます。

①特定支出額-②給与所得控除額×1/2=③特定支出控除額

下表より、収入が700万円である場合、②給与所得控除額×1/2は、(700万円×10%+110万円)×1/2=90万円になります。

【表2:給与所得控除】

給与等の収入金額給与所得控除額
1,625,000円以下550,000円
1,625,000円超1,800,000円以下収入金額×40%-100,000円
1,800,000円超3,600,000円以下収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超6,600,000円以下収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超8,500,000円以下収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超1,950,000円

したがって、①100万円-②90万円=③10万円より求められた10万円につき特定支出控除を受けることができます。

メリットを享受しやすい方

先述の通り、サラリーマンであれば、「通勤費」・「旅費」等は会社が負担していることが一般的であるため、実際に申請対象となることが多いのは「語学学習費」・「資格取得費」・「図書費」等です。

スキルアップ・資格取得に励む方は特定支出の金額が大きくなるため、チャレンジが金銭的に後押しされる本制度の活用を検討してみてもよいかもしれません。

また、企業様側でも、従業員の皆様のモチベーションアップに向けた福利厚生制度の充実化を図る際に検討されるのもよいかもしれません。

おわりに

弊社では、制度の趣旨や影響を踏まえた上で、それぞれの状況に応じて有効活用できるよう会計・財務・税務アドバイザリーサービスを提供しています。

また、制度をより適切に理解した上で活用できるよう研修・講座サービスも提供しているため、支援が必要でしたら、是非お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次