連載:日本の金融教育の歴史を紐解く(第4回)

前回の記事で、明治後期までの近代資本主義の発展と金融教育が果たした役割について解説しました。

今回の記事では、順調に発展していた金融市場が直面した困難とその影響についてみていきます。

目次

直面した困難

順調に拡大していた日本の近代資本主義経済は、第一次世界大戦(1914年~1918年)に伴う戦時バブルを享受することとなりました。

しかし、第一次世界大戦後には戦時バブルが崩壊し、1923年の関東大震災や1929年の世界恐慌を経て、1930年には昭和恐慌と呼ばれる事態にまで深刻化していきました。

内務省に押し掛ける失業者たち

昭和恐慌の影響

1930年3月には商品市場が大暴落し、生糸、鉄鋼、農産物等の物価は急激に低下し、次いで株式市場の暴落が起こり、金融界を直撃しました。

さらに、物価と株価の下落によって中小企業の倒産や操業短縮が相次ぎ、失業者が街にあふれ、国民一般の購買力も減少していった。1930年中につぶれた会社は823社と呼ばれ、1930年の失業者は全国で250万人余と推定されています。

このような経済的困窮は第二次世界大戦勃発の遠因ともなりました。

次回は、第二次世界大戦後の経済復興に向けた金融教育を含めた制度の立て直しについてみていきます。

おわりに

弊社では、「おかね」のプロである公認会計士が広範な実務経験は勿論、豊富な講師経験を基にマネーリテラシー養成に向けた金融教育サービスを提供しています。身近なトピックを用いた上で、ワークショップやオンライン等の様々なスタイルで提供させて頂くため、楽しく、わかりやすく学ぶことができます。

また、教職員様向けの研修・講座も提供しているため、支援が必要でしたら、是非お気軽にお問い合わせください。

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