連載：日本のマネーリテラシーの特徴と立ち位置（第3回）

前回の記事で、日本のマネーリテラシーの国際的な立ち位置は最下位に位置しているものの、予算管理や決済管理等のスキルは決して低くないことを紹介しました。

今回の記事では、その他の項目の１つである「財務計画」についてみていくことで、日本のマネーリテラシーの特徴について具体的に分析します。

財務計画

調査対象項目の1つである「財務計画」についてみていくと、最下位に位置していることがわかります。

順位	国・地域	総合財務リテラシー	基本的な金銭管理	財務計画	投資
1	ニュージーランド	73	77	83	62
2	台湾	73	70	83	67
3	韓国	66	61	83	54
4	ベトナム	66	60	82	60
5	インドネシア	67	65	81	51
6	シンガポール	71	69	80	61
7	マレーシア	68	64	79	60
8	タイ	65	60	77	58
9	中国	64	55	76	65
10	フィリピン	65	63	73	58
11	香港	71	72	72	68
12	インド	60	55	72	55
13	オーストラリア	71	75	69	64
14	日本	60	61	69	43

具体的な分析

「財務計画」の具体的な査定内容は、金融関連の商品、サービス、概念に関する知識、および資金需要に備えた長期的な計画能力であるため、これらの事項についてはスキルが低いということがわかります。

筆者自身の海外経験を通じての推測となりますが、日本経済はアジア諸国においてはかなり早い段階で発展・成熟しており、いわゆる金融市場の発展の前段階で生活必需品を賄える程度の購買力が有していたことから、いわば後進的に伸長した金融商品に頼らなくても一定水準の蓄財ができたことから諸外国に比べてそこまで進まなかったこともあると考えられます。

次回の記事では、最後の項目となる「投資」についてみていきます。

おわりに

弊社では、「おかね」のプロである公認会計士が広範な実務経験は勿論、豊富な講師経験を基にマネーリテラシー養成に向けた金融教育サービスを提供しています。身近なトピックを用いた上で、ワークショップやオンライン等の様々なスタイルで提供させて頂くため、楽しく、わかりやすく学ぶことができます。

また、教職員様向けの研修・講座も提供しているため、支援が必要でしたら、是非お気軽にお問い合わせください。